救いたいと言われてもあたしの心は閉ざされたままだった。
かたくなに口を開こうとしないあたしを見て看護婦さんは困るだけ。
「言えない??もしかして、思い当たることはないとか・・・??」
だんだん弱気になっていくように見える看護婦さん。
「ごめんなさい・・・・」
あたしの口からはなぜか謝罪の言葉。



その時だった・・・・
窓をたたく音がしたんだ。
外からだった。
「いたずらかしら・・・」
先生がカーテンを開ける。
そこには・・・
「美衣、どうしたの??」
「薬、なくなっちゃって」
「そんなに飲み過ぎるとダメだって言っているでしょ??」
看護婦さんは渋々美衣に薬を渡す。
何の薬だろう・・・
あたしは美衣にばれたくないとかよりも美衣がもらった薬のことが気になった。
「夏凜??!!」
美衣に存在を気づかれた。
「あら、知り合い??」
「クラスメイト・・・」
美衣が気まずそうに言う。
「母さん、この子が夏凜だよ・・・・」
母さん・・・
この看護婦さん、美衣のお母さんだったんだ。
看護婦さん顔色がどんどん変わっていく。
嫌な予感がした・・・・
すると、看護婦さんが
「ゆっくり話をしたいのよ。美衣、帰って」
美衣に帰るよう言い、また部屋は二人だけになった。




「お願いがあるの。」
考えもしない言葉が看護婦さんの口から出てきた。
「え・・・・??」
「あなた、優也君と付き合っているでしょ??」
「・・・・はい」
「お願い、別れて・・・・」