snow×white

ヤスの顔が近づく。


もうすぐ唇が触れ合う…

そう思ったとき、ギリギリのところで それは止まった。



え…?


あたしはぼんやりとした意識の中で思った。




―――口にはキスしてくれないの…?




ヤスのかたくなな心を見た気がして焦っている自分に気づいた。



好きじゃないから?

彼女がいるから?


お店ではしたくせに…!!



きっとあたしがあと1センチでも動いたら唇は触れてしまう。

でも、なのに、動けなかった。



こんなに近くにいるのに通じ合わない。

それはまるであたしたちそのものだ。