snow×white

あたしたちは飲みながらいろんな話をした。


音楽の話。

私生活の話。


メンバーはまだ音楽だけでは食べていけないので、それぞれバイトしながらバンド活動をしているという話も聞かせてくれた。



「やっぱ音楽やってるからにはプロ目指さんと。

今はバイトで食い繋いでるけど、いつか自分らの音楽で飯食えるようになりたいねん。」


「ファンのコたちは俺らの命やから。

聞いてくれる人がおらんかったらそもそもバンドなんてなりたたへんし。」


「いいライブできたときはな、ほんまに死んでもいいと思うねん。」




みんなの話を聞きながら、心からうらやましいと思った。


自分の夢に向かって真っすぐ歩いていることも、いっしょに夢を追いかける仲間がいることも。


そりゃあプロのミュージシャンなんて簡単にはなれないかもしれないけど、臆面もなくそんな夢を語る彼らは文句なくかっこいい。


あたしは両手で頬づえをつき、目を閉じて、彼らの話に聞き入っていた。