「『snow』聴いてください。」
さっきまでのハードロックとは打って変わって今度は優しい、そしてどこか悲しげなギターの音色が会場を包んだ。
愛する人を失った歌。
それはどこまでも悲しく、どこまでも暖かい歌だった。
あたしはヤスの一語一句も聞き逃すまいと必死に耳を傾けた。
「あなたを失った僕に
生きる意味はあるの?」
「僕の隣にあなたはもういないのに
まだ生きなくてはならないの?」
そう問いかけながら絞り出すような声で歌うヤスは心から悲しそうだった。
次の瞬間、あたしは息が止まった。
―――泣いてる……?
ヤスが泣いてる?
いや、汗だよね?
泣いてなんかないよね?
あたしは無性に彼を抱きしめたい衝動に駆られた。
彼は今までにこんな悲しい恋をしてきたのだろうか。
彼の声を聞いていたいのに心臓の音が邪魔する。
悲しくもないのに涙があふれた。
涙で滲む彼の姿をただただ見つめた。
―――この人が好きだ…。
さっきまでのハードロックとは打って変わって今度は優しい、そしてどこか悲しげなギターの音色が会場を包んだ。
愛する人を失った歌。
それはどこまでも悲しく、どこまでも暖かい歌だった。
あたしはヤスの一語一句も聞き逃すまいと必死に耳を傾けた。
「あなたを失った僕に
生きる意味はあるの?」
「僕の隣にあなたはもういないのに
まだ生きなくてはならないの?」
そう問いかけながら絞り出すような声で歌うヤスは心から悲しそうだった。
次の瞬間、あたしは息が止まった。
―――泣いてる……?
ヤスが泣いてる?
いや、汗だよね?
泣いてなんかないよね?
あたしは無性に彼を抱きしめたい衝動に駆られた。
彼は今までにこんな悲しい恋をしてきたのだろうか。
彼の声を聞いていたいのに心臓の音が邪魔する。
悲しくもないのに涙があふれた。
涙で滲む彼の姿をただただ見つめた。
―――この人が好きだ…。
