気持ちは抑えることを知らない。
逸る気持ちを落ち着かせてから、たった1日聞けなかった、その声を聞くために携帯をいじった。


美咲が出たらなんて言おう。
まずは謝って、それから好きって言って。

美咲はなんて言ってくれるだろうか。

怒るかもしれない。
泣くかもしれない。
でも最後には笑ってくれるんだ。

笑って、遅いよって言ってくれるんだ。


『…ゆーと?』

数回のコールのあと、声が聞こえた。
速まる心音を聞きながら、僕は呟いた。


「ごめん。キミが、好きだよ」


聞こえた声は笑っていた。
「遅いし、いきなりだし、なんなの?」とも言われてしまった。
まあ、しょうがない。
待たせてしまったのは事実だ。
振り回したのも事実だ。