純色ー彼は芸能人!?―


しばらくの沈黙の後、

沈黙を切り出すように口を開いた

だけど重なった手はそのままだった。


「ごめんね。
今日レッスンが入ってるらしくて…俺から誘ったのに。」


レッスンとかやっぱり、
どんなに売れてないって言ったって
芸能人だよね。

沢山の人、校門にいたし。

あんな光景見たこともないよ…
思い返すと自分は凄い事しちゃったんだって
今更思ってきた。


家の前に着いて
お見送りをしようとしていると
後ろの席の窓が開いた。

そこから優が顔をだし


「メール待ってるから。
明日もよろしく。」

と言い残し、車が走り去っていった。


優が最後までサングラスを外す事はなかった。