自分のヒールの音を聞きながら歩いていると
後ろからかすかに、
「ちょっと待って!」
という声がした。
光の声ではなかったからお店に忘れ物をしたのかと思い
「私ですか??」
と言い振り返った。
しかし、そこにいたのは優だった。
何でかと思いつつ、
「何かありました?」
びっくりしすぎて…逆に冷静になっていた。
優は急いで来て
息が上がって苦しそうだった。
それを見た私はもうこれ以上声をかけるきになれなかった。
声をかけるのが可哀想で…
忘れようとしてたのに
さっきの事をまた思い出してしまう。
"アイツは特定の女は作らない…"
" どっちが可哀想なのか分かんなくなるよ…"
優を見てると、この2つの言葉しか浮かばなかった。

