「朝倉!仮にも桜ノは先輩なんだからな!どいてやれ!」
「…ハイ」
なっ……
「仮って何よー!」
「うるせーなー、ホラ早く取れや!」
いつもウルサイ金岡に言われたくないんですけど !?……でもまぁ、今金岡に助けられたし、心の中に閉まっておくか…。
私は机の中を覗き込んだ。
えっと…宿題は……あった!
………ん?コレ、私の携帯?!
なかなか見付からないから無くしたかと思ってた。
「良かったー!!」
「…あのさ、見付かったんならどいて。」
「な!…ココは私の席なんだからアンタがどっか行けばいいじゃん!」
「ヤダ、ここ俺の席だから。」
何言ってんのコイツ…私の席が朝倉の席――?
「なに言って――」
「俺、工藤の隣だから。」
「は?」
あ、ぁあ。そういう事ね。私の隣の席に座ってる友達の隣が良いって事ね……
「っつ…汚さないでよ!」
私はそう言って教室を出た。

