自分の席に目を向ける。

―――!!

私の席に座っていたのはバスケ部一年、朝倉……拓(アサクラ タクマ)――。


「あ……」

まだアイツは私が見ている事に気付いていたない。
隣の友達と楽しそうに話している。


「桜ノ、どした?」

金岡に声をかけられた。


「別に。…てか朝倉!そこ私の席なんだけど。」

朝倉がゆっくり顔をこっちに向ける。

「…は?」

「私の席だから、忘れ物取りたいだけど!」

「だから?」

っつ〜……いっつもこうだよ!

でも、これ以上言い返せないのが、惚れた弱みってやつね。