バレンタインまで後七日の土曜日、私は学校に忘れ物を取りに来ていた。

見慣れた玄関、見慣れた廊下を通って自分な教室に向かう。

…にしても、変なの。見慣れている場所なのに、友達や先生達がいないと全く別の場所に感じる。


ガラッ

自分の教室のドアを開けた。


……………え?

「あんたら、何してんの?」

「!!桜ノお前こそ…」

「私、忘れ物。」

「俺達は部活の話しあいだよ。」

教室の中にいたのは、男バスメンバー全員。

私と話しているのは部長の金岡。

「ふーん?頑張れ。」

「……お前、めずらしくテンション低いな。」

「土曜日の学校に来たって面白くないし。」

「あっそ、忘れ物とったら早く出てけ。」

分かってるっつーの!!