「なに? なんの話してるの?」

優喜が、あたしたちの会話に興味を持ったのか、こちらにやってきた。

涼子は、そんな仕草が気に入ったのか、笑顔で答えた。

「優貴君はかっこいいーって話してたんだよ」

「いやだなー。涼子さん、誉めたってなにもでませんよ? そういう涼子さんこそ、高校の制服始めてみたけど、似合ってますねー。かわいいですよー」

「ホントーありがとう。でも、誉め返しても、な~んもでないわよ。あたし金欠なの」

「な~んだ、誉めて損した」

「金欠だったら、おれポテトくらいおごりますよ? 食べます?」

「あ、お願い」

フライドポテト、税抜き250円。中学生におごらせるには、妥当なお値段……。

ちなみに、わたしはこれがけっこう好きだったりするんだよな。
7人でひとつは、ちょっと少ない。

「ヒナ、これ好きだよね。ふたつ頼もう。ヒナはひとりで、一皿ね」

にかっと笑う優喜。

ん? ちょっとまて。
なんで、一人で一皿?

「わたし、そんなに食い意地張ってないわよ!」

わたしが大声で言うと、優貴はからかい混じりの笑顔でにかっと笑った。
本当、かわいくないんだから。