「一体、ここで何が起こったというんだ!」

シールズは大切な部下を失った怒りに肩を震わせ、地に拳を打ちつけた。


「おい、アル…精霊の力で何か判らないか?」

ブレイドが口元に手を当て、必死に吐き気を怺えているアルに尋ねた。


「あ…。そうだね。それじゃあ、時の精霊に聞いてみるよ。」

アルは胸の前で両手を合わせると召喚の呪文を唱えた。
すると、黒いローブに身を包み金の日時計をぶら下げた小さな精霊が姿を現した。
精霊は、甲高い声でアルの耳元で何か喋っていたが突然何かおかしな気配を感じたのか怯えた表情を浮かべ、瞬く間に姿を消した。