「ふむ。では騎士になって君は何をするのかな?」

「騎士になって…その後は…。この大陸の様子をこの目に刻む為…旅に出たいと思っています。」

「何と!君は騎士となっても一生をこの国と国王の為に捧げるつもりは無いのか?我が騎士団を単なる腰掛けと考えるか!」

俺の答えを聞き、穏やかだったランス団長の表情が険しくなり蒼い双眼が鋭く俺を睨め付けた。


「はい。私にとって騎士団は己の腕と精神を鍛える場。一生を捧げ仕える場所ではないと思っています。」

俺は、彼の迫力に押されながらも、自分の意志のままに…ありのままの気持ちを彼にぶつけた。