-三年前-


「お願いします!どうか私をこの騎士団に入団させて下さい!」

「ダメだダメだ!聞けばお前、剣など殆ど握ったことがないというではないか。そのような華奢で生っ白い奴が、ここの厳しい鍛錬に耐えられるはずが無い!それに、なんだ…お前、よく見れば怪我をしているではないか?ふふふ、何処かの破落戸に喧嘩でも売られたか?相手の腕の一本もへし折れぬようでは騎士など到底なれぬわ!」

騎士団の詰め所前で、必死に入団許可を貰おうと頭を下げる俺を、副団長のクラインはでっぷりと太った腹を揺すりながら罵倒した。