「この様子では、周辺に生存者はいないと考えた方がよさそうだな。」

ブレイドも、所々から立ち上っている灰色の煙を見つめながら無念そうにシールズを見やった。


「そうだな。とりあえず、この先にあるダウンウッドの街へ行ってみよう。」

「ダウンウッドねぇ…。あそこはいい街だったなぁ。美人の宝庫として有名だったもんな。」

バルハラントのオアシスと謳われたダウンウッド。
美しく整備された石畳の町並みに花々の芳しい蜜の香りが漂い、家々の窓からは楽しげな美女達の笑い声が小鳥の囀りの様に流れていた。
そこで出会った女達との甘美な思い出に思わず口元がだらしなく緩む。