ザワザワ…。 彼女は何かの気配を感じた。 身を震わす恐怖…恐ろしい憎悪と嫉妬。 その大きな渦が、こちらへ近づいてくる。 そして、もう一つ…その渦を追いかける怒りと悲しみに包まれた雄々しき魂。 その二つの存在…それを彼女は知っているような気がした。 酷く懐かしく、愛しい二つの魂の気配を彼女は察した。