「セザリオン…皇太子は何でも持っているんだよ。富も生まれながらの名声も。望めば惜しみなく与えられる知識。無償の愛を捧げてくれる沢山の人々…僕には何一つ無いものばかりだ。」 「ファレル…でも、君には愛してくれる母様がいるじゃないか。」 「母さんは、従順に何でもいうことを聞くいい子の僕を愛してる。ここでこうしている僕は愛しては貰えない。」 チャールズは灰色の瞳でじっとファレルの顔を見つめた。 彼の目には、自分と同じ僅か8歳の少年が酷く年老いた老人の様に見えた。