(それにお前、陽の力を持っているんだろ?だったら、その力、呼び起こさないと、宝の持ち腐れだぞ)


「……」


私は、落とした竹刀を再び握り締める。
さっきよりも、きつく。しっかりと。


――賭けてみる。


私、人間の可能性に賭けてみる。



今は、あの人達の事を忘れて、自分自身と戦ってやる。




『おや……どうやらアイツ、何か言ったようだね』


『何だかんだで、彼も放って置けないタイプ、ですからね』


『あ~、俺帰ってもいいっすか?』




――そして数時間後。

当然のごとく、ボロボロ状態で、慌ててデートに突入し、稽古は別に明日でも良かったんじゃないかと、後悔した事は、言うまでもない。