私は、私の腕が温めたテラスの柵に頬をつけて、颯太のその横顔を見つめている。

別の次元に滑り込んで行ってしまうと言うのなら、私も連れてってと、そう願いながら。
あなたは私を置いていく人にならないで。


 ――パパとママは眠ってしまった。颯太の帰りを待てなかった。

彼がこの地に戻った時のために、ふたりが残せたのは手紙と私。


 私はずっと待っていた。

そして颯太は、宙からこの地に舞い戻ったのだ。