水上の音楽

 空はその果てを知らないみたいに雪を降らせているのに、颯太は違うものを見るような顔だった。

私から喧騒が遠くなる。
舞からもジェイからも、颯太からも、そうだったように。


「間にたくさんの人間がいたけれど、ふたりは糸のようなもので結ばれていた。誰にも見えないし、僕にだって見えたわけじゃない。でもふたりの間には、確かにそれがあった」