「三人で出かけたんだよ、いつもそうしていたから。いつもと何も変わりはなかった。あの瞬間までは」

 颯太の話がいつでも突然始まることに、私は慣れてきていた。

私たちをつないでいる、パパとママの話。

そこには三人でいたのに、今ここには彼の存在しかない。

世界にはそれが自然でも、私にはそうじゃない。

私たち。
颯太と私には。


「舞は白いドレスでね。髪飾りをつけるのに、どれだけ時間をかけたと思う? あぁ、それを選ぶ時も、もちろん、ドレスを選ぶ時も」

「フォーマルなパーティね」

「クリスマスでね」