「俺が作曲家になりたいってのは知ってるよな?」


「……うん。急にどうしたの?」


「いつからなりたいか知ってるか?どうして作曲家なのかは?」


「……小さい頃からってことしか」


そっか…やっぱり。

先生の言う通りじゃん。




「美羽と会わなくなって一ヶ月、色々考えてた。ずっとモヤモヤしてて…今日、若林先生に会いに行ってきた」


「先生?あ…だからこの時間なんだ」


頭のいい美羽は、何か察知したらしかった。


「で、言われた。お互いに言葉足らずなんじゃないかって。ずっと一緒にいたからって、気持ちが通じてるなんて過信すんなって…」


「……先生らしいね。図星じゃん」


美羽も俺と同じように感じたんだと思う。


遅くなったけど、気付けた。

まだ間に合うか…?