……なんて言ってても意味ねぇか。


んーと……


「今は何を意識して吹いてる?」


「えっと…音の高低?いきなり音が高くなったり、低くなったりするので…気をつけてますっ」


「少し吹いてみて」


息を大きく吸い込み、音を出すその女の子。


うん、綺麗な音。

濁ってなくて澄んでる。


でも……


「固いかな?白鳥ってより、アヒルが見える」


「あ、アヒルですか?」


「白鳥はもっと滑らかに泳がねぇ?」


音がバラバラ。

まとまりがないって感じ。


白鳥は優雅に水面を泳ぐだろ?




「わかりました!!綺麗な白鳥をイメージしますね!!」


こんな言葉しか思い浮かばねぇけど、それでも彼女は何かを掴んだらしかった。