【短】Eqeal

そして最終的には誰もいなくなってしまった。


そこまでひどいわけじゃねぇけど、大会前にしては何か足りないのかも。


俺も続いて廊下に出てみた。




すると目の前には、怒られたからっていじける奴も、逆切れする奴も誰一人いなくて……

必死に練習している姿があった。


関係ない俺だけど、こういうの見ると…うれしくなる。

みんな真剣に音楽してるんだってわかるから。




「直樹先輩っ」


俺に気付いた子が声をかけてきた。


「どうしたらうまくなると思いますか?」


この子確か…パートリーダーだよな。


自分がホルンの中で一番うまいのに…過信しすぎず、俺に意見を求めてくるのか。


いいね、そういう姿勢。




でも俺はホルンの経験ねぇし……美羽がいたらな。