『いつまで寝とんねん!はよ起きろー!!』

「あと…5時間。」

『寝すぎじゃボケェェ!!』




あたしの朝は……


寝起きがものっそい悪い姉ちゃんを起こすことから始まる。




『高校生のクセに自分で起きられへんとかありえへん』




やっとの思いで姉ちゃんをベッドから引きずり出して朝ごはん。




「は?別に起きられへんことないし!起きないだけ!」




トーストをかじりながら叫ぶ我が姉。


アホみたいやけど…これでも成績はめっちゃええらしい。


人は見かけによらんってゆーけど、姉ちゃんの場合…人は中身によらんって感じ?


こんな性格で頭いいとか、反則やで…




『意味わからん…ほな明日から1人で起きや?お母さんにも起こさんように頼んどくわ』

「しょーもないことでケンカするのはやめよう!あたし高校生!あんた中学生!」




知ってるっちゅーねん。


姉ちゃんが高校生に見えんのは確かやけど。


身長ちっさいし、童顔やし……脳内なんか小6んときから変わってないんちゃう?



1年中脳みそ花畑やわ、絶対。




『ちゃんと起こしたるから!はよ食って学校行け!』

「ママぁ〜真希(マキ)ちゃんが冷たいぃ〜」




あー、マジでうっとうしい。


たまに姉に見えないときがある。いや…常に年下感かもし出してるもん、この人。




さっきの一言をお母さんにスルーされた姉ちゃんは、ぶつぶつ言いながら寝転んでコタツに潜った。




『姉ちゃん?遅刻すんで?っつか食ってすぐ寝んな!』

「二度寝〜……」




その後、すぐに寝息が聞こえた。



ホンマに寝やがった!っつか早ッ!寝んの早ッ!!せっかく起こしたったのに……




朝にめちゃめちゃ弱い姉ちゃんに何言うたって無駄なことはよーく知ってる。



こうなったら放置が一番や。




気持ち良さそうに眠る姉を見捨て、あたしはあたしの準備を始めた。