「泣くなよ」 ちょっと困った顔をする秀ちゃんは、椅子から降りてわたしに近付いて来た。 「だって…っ」 ポロポロ流れ続ける涙を、秀ちゃんが指ですくってくれる。 「お前さ、オレのこと……」 途中で口を閉ざした秀ちゃんを見上げて、首を傾げるわたしに、 「…どう思ってる?」 ポツリと呟かれた秀ちゃんの言葉。 「好きだよ…?」 何でいきなりそんなことを聞くんだろう? すると秀ちゃんは、ふっと切なそうに笑う。