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桜が満開だった高校一年生の入学式。



緊張と不安と期待と。
色んな感情で胸をいっぱいにしながら新しいクラスへ向かった。



「私、梅宮佳菜子っていうの!佳菜子でぃぃから!」


最初に話しかけてきたのが佳菜子だった。

佳菜子とは初対面とは思えないくらい、すぐ意気投合したっけ。




「ねぇあの人超かっこよくない!?」
「ほんとだ~!!」

周りの女の子が騒いでいるのが聞こえて、私達も教室を見回した。



たくさんの女の子の目線の先に、武石ハルは居た。


目鼻立ちが綺麗で、高校生とは思えないほど、大人びていた。
髪が明るい男子が多い中で、ハルは短い黒髪が似合っていた。
机に肘をついて、誰かと話すこともなく気怠そうに窓の外を眺めてたね。


「あーああいうやつは性格悪いね。人の事見下すタイプ。」


佳菜子はそう言ったけど、私はそうは思わなかったんだ。