Fly Hight

「コホン…早くたけちゃんは着替えて来なさい。」

「ぶくくく……はあい!」

どうにか笑いが収まったたけちゃんをスタッフルームにおいやり…

「はあ…」

俺は今日何回目かもわからないため息をまたついた。

重症だよなあ…
失恋確定なのにやっぱりたけちゃんを見ると俺の心はときめいて。
胸が高鳴るんだ。

「どうしたらいいんだよ…」

「弘希!おす!」

「ん?ああ…優かあ…」

優は俺と同じくこの店のキッチンスタッフ。
中学からの付き合いでいわゆる悪友ってやつ。

「なあ-に悩んでんだよっ!」

「べべべつに悩んでなんかねーよ!」

俺が慌てて言い返すと。
優は一瞬きょとんとした顔をした。