「雨が降ったから、会いに来ちゃった。話そうよ。」
私はノートを出して、
“どこで?場所がないよ。”
と書いた。
「うーん。屋上行こう!」
“でも雨が降ってるよ。”
彼は、あはは。と笑った。
「明日は晴れるって天気予報で言ってたから、明日にしよっか!!」
“うん。”
私はほほえんだ。
すると彼が赤くなった。
どうしたのだろうと思って見ていると、私の頭をポンポンっとさわった。
「また明日ね。」
私は胸がドキドキしているのに気が付いた。彼に対するこの気持ちは何なのだろう?
「何なのあいつ!?」
「声出ないくせにさ。」
「うざすぎるよね。」
「みんなの響くんなのに!!」
「しめてやろうよ。」
この時、私はまだ、私の知らないところであやしい黒い陰が動いているのを知らなかった。

