それから10分くらいたった頃だろうか。
彼がスッとノートを差し出してきた。


「田村さん。俺と話そうよ!!はいっ。ノート!!」

この人は、私の声が出ない事を知ってるんだ…

私が悲しそうな顔をしていると、

「キーンコーンカーンコーン」
とチャイムがなった。


「あっ!チャイムなっちゃったね。このノート持ってて。また明日ねー!!」

と言って彼は去って行った。


頭にはたくさんの!と?が浮かんでいる。
あの人はいったい何だったのだろうか…。