「ほら、小宮!席着けよー」


俺の朝は、いつもこの一言から始まる。


「うぃす」


気だるそうに返事をして、

おれは窓際の席に腰かけた。


小宮涼太 15歳。


ちなみに高校一年生。

この間、2か月付き合った彼女と

別れたばっかりで、

現在傷心中の現役高校生だ。



「おい、フラれた涼太くん。朝から小言言われまくりですね~」

「っせーな。ほっとけアホ」


ガタッと椅子をずらして

後ろを振り返ってきたのは、幼なじみでもある

親友、矢部俊哉-シュンヤ-。


にやにやと笑ってくる俊に、

俺は思いっきりしかめっ面をしてみせた。