【短】チョコレート・キス



―――好きな人にチョコあげるって決めたの!


そう大きな決断をしたユキの成長を、嬉しく感じると共に寂しくも感じた。


本当は、俺のことを好きだと言って欲しい。

他の男にユキを渡したくない。

無理矢理奪い取ってやりたいくらいだ。


でも、ユキの心を崩してまで、この恋を手に入れたくない。

自分よりユキが大事だから。

だから、俺はユキのその恋の芽に、優しく水をかけてやる。


好きだから、見守ってやる。