【短】チョコレート・キス



「隼人。私、可愛くなれた?」


ユキは俺から体を離し、今度は顔を上げた。


「うん。頼むから、それ以上可愛くならないでくれる?」


俺がそう言うと、ユキはふふっと笑った。

そして、手に持っていたチョコレートの箱を俺に手渡す。


ユキからの本命チョコ。

そして、ユキ。


欲しくて欲しくてたまらなかったものを、俺は同時に手に入れた。