俺に「好きです」と言って、チョコを渡す女の子。
俺はその子に「どこが?」と聞き返してみた。
その子は、頬を赤らめながら「優しいところ」と言った。
―――隼人は優しいね。
また、ユキの言葉が頭に浮かぶ。
俺は人に優しくしているつもりなんてなかった。
ただユキの幸せを願っていただけ。
だけれど、それが“優しさ”だということに気が付いた。
ユキに対してだけじゃない。
人の痛みが分かるようになった俺は、自然に周囲に優しくしていたんだ。
恋をすると、人は変わる。
お前のおかげで、俺は人に優しくできる。
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