「んん…拓斗…」



離れては重なる…何度も繰り返されて苦しくなってきた。



やっと終わったときにはもう肩で息をしていた。





「他の理由は、素直だから」



「素直?」




…なんの関係があるの?




「愛莉はさっき、素直にここは変えたほうがいいって言ってくれただろ?」



「うん」





拓斗は私を膝に乗せたまま話を続けた。





「他の社員は、自分の評価を上げるために大げさに変えようとしたりするんだ」




…そうなんだ。




「そんな風に完成しても直ぐダメになる。だから、愛莉のような素直な意見が欲しいんだ」




そう言っていつものニッコリ優しい笑顔になった。




「じゃあ、役に立てるなら…やろうかな?」



「ありがとう、愛莉!…まぁ、一番の理由は一緒にいたいからなんだけどな」



拓斗はそう言うと意地悪く笑った。





…拓斗の意地悪…!




嬉しいけど、意地悪な拓斗には言ってあげないんだから!