拓斗side


「社長~」




…またこいつらか。




愛莉と会議室に戻ろうとした時、

いつも声をかけてくる女子社員達に捕まった。





「…お先に行きますね!」



「おい!愛莉!!」



俺が呼び止めたにもかかわらず、

愛莉はどんどん離れていく。





直ぐにでも追いかけたかったけど、

社員を無碍にできない…とりあえず話を聞いた。





「あ…ヤバい!私書類出してくる!!」





そう言って一人の女が走って消えていった。




残ったもう一人のほうは、どんどん近づいてくる。






「君は行かなくていいのかい?」




「はい。平気です!…それより私、社長が好きです!!」





「ありがとう。…でもごめん」