だって好きなんだもん!(Melty Kiss バレンタインver.)

どう、しよう。

わたしの心が不安の色に染まり始めた頃、こつんと足音がした。

三人の視線を一身に浴び、息を切らした谷田陸がちょっと照れたように笑った。
両手にコンビニの袋を持っている。

どちらも一杯だ。

「ほら、どうぞ」

二人に一つずつおずおずと袋を差し出した。
恐る恐るそれを受け取る二人はぱぁっと顔を輝かせる。

おにぎりにサンドイッチ、暖かいお茶。

「もっとお金渡せばよかったわね」

あまりものスピードでそれらがなくなっていくのを見ながらわたしはぽつりと呟いた。

「ま、とりあえずこれで敵じゃないってことは伝わったんじゃないの?
言葉が伝わらないときは、まず行動」

どこかで聞きかじったのか。
それとも、オリジナルの思考なのか。

同い年だと思っていた谷田陸が、今日はやたらと頼もしく見えてわたしは安心した。
と、同時に。
自分でだってこのくらいは出来るはずだ、という小さな炎が胸のうちに灯(とも)る。