――ほんっとーに。

ここは、動物園かっつーの。
わたしは頬杖をついて窓の外を見ながら心の中でぼやいていた。

子供ってさぁ、自分の声で耳が痛くなったりしないのかな？

いくら二週間ぶりの再会だからってここまで喜ぶ？ってくらい。
小学校の教室は朝からとてつもなく騒々しい。

もう、溢れ出すパワーがぶつかり合ってるって感じ？

確かにお邸にもパワーが溢れまくってはいるけれど、あれはなんていうか、負のパワーだから。

こう、まばゆいばかりの正のパワーにわたしは圧倒されてしまっていた。

正確に言えば、船酔いにあった感じになっていたの。


「やぁしきっ」

こちらに向かってボールが投げられた。

ゲっ。
窓が割れたらどうすんのよっ！

わたしは慌ててバレーボールを手に取った。

「ヒュウっ」

わたしにボールを投げつけた元凶のくせに、谷田が褒めるような口笛を吹く。

「何してんのよ、危ないでしょっ」

わたしは、クラス委員にふさわしい真面目な意見を強い口調で投げつけてみた。