――翌朝。
苺ジャムがあるからという理由で、わたしは珍しくパンを齧っていた。
傍らに置かれたミルクティーは清水がいれてくれたもの。
朝から優しいのだけれど、向かいの席でお兄ちゃんと話をしていた。
「本気ですか?」
「ええ、うちの組のものはいないんですよね?」
「それはそうですが」
「だったら、問題はない。
それに、二度とああいう目に合うことはなくなるでしょう?」
「効果的だと思いますけど」
疑問形を取りながらも強気の口調を崩さないお兄ちゃんに対して、清水は若干戸惑っている。
「都ちゃん、そんなにパンを傾けたらジャムが落ちるよ?」
思わずその会話に聞き耳を立てていたわたしに、新聞を眺めていたはずのパパが声を掛けてきた。
わたしは慌てて食パンの角度を保つ。
「紫馬の頭はどう思います?」
清水が困った表情を崩さず、パパに声を掛ける。
「斬新。俺なら絶対に風紀を乱すけど、大雅くんなら大丈夫でしょ?」
……何の話かしら。
時折、会話の途中でわたしに視線が飛んでくるってことは、わたし絡みの話なのよね?
苺ジャムがあるからという理由で、わたしは珍しくパンを齧っていた。
傍らに置かれたミルクティーは清水がいれてくれたもの。
朝から優しいのだけれど、向かいの席でお兄ちゃんと話をしていた。
「本気ですか?」
「ええ、うちの組のものはいないんですよね?」
「それはそうですが」
「だったら、問題はない。
それに、二度とああいう目に合うことはなくなるでしょう?」
「効果的だと思いますけど」
疑問形を取りながらも強気の口調を崩さないお兄ちゃんに対して、清水は若干戸惑っている。
「都ちゃん、そんなにパンを傾けたらジャムが落ちるよ?」
思わずその会話に聞き耳を立てていたわたしに、新聞を眺めていたはずのパパが声を掛けてきた。
わたしは慌てて食パンの角度を保つ。
「紫馬の頭はどう思います?」
清水が困った表情を崩さず、パパに声を掛ける。
「斬新。俺なら絶対に風紀を乱すけど、大雅くんなら大丈夫でしょ?」
……何の話かしら。
時折、会話の途中でわたしに視線が飛んでくるってことは、わたし絡みの話なのよね?