「ただいまぁ」
家に帰ると、当然だけどいつも出迎えてくれる清水は居ない。
わたしは着替えるとすぐ、パパに電話を掛けた。
「お帰り、都ちゃん。
小川の部屋に居るからおいで」
「ちょっと、パパっ。
他に何か言うことは?」
その部屋に行ったら、ゆっくり喋ることなんて出来なくなると予測できるわたしは電話口に声を尖らせる。
パパは一瞬間を置いた。
あの、紅い唇がふわりと、悪戯好きの少年のように微笑む様子が目に浮かぶ。
「どうだった?
先生は」
「どうだった、じゃないわよ。
心臓止まるかと思ったじゃない。
あのね?
清水って文学部でてるんでしょう?教職なんて持ってないんじゃないの?」
「おや、細かいことを気にするタイプだねぇ、都ちゃんは。
清水はね、うちに来てから、都ちゃんに学校の勉強を教えるためにわざわざ教育学部に入り直したの。
あ、母校じゃなくてもうちょっと簡単に入れる別の大学でね。
愛だよね、愛」
――ああ、そうですか。
普段、清水が何をしているかってことに、あまり興味を持っていなかった自分を心の中で反省しながら、唇を閉じる。
コンコン
ドアがノックされるので、開けてみるとそこには想像に寸分たがわぬ笑顔を携えたパパが居た。
家に帰ると、当然だけどいつも出迎えてくれる清水は居ない。
わたしは着替えるとすぐ、パパに電話を掛けた。
「お帰り、都ちゃん。
小川の部屋に居るからおいで」
「ちょっと、パパっ。
他に何か言うことは?」
その部屋に行ったら、ゆっくり喋ることなんて出来なくなると予測できるわたしは電話口に声を尖らせる。
パパは一瞬間を置いた。
あの、紅い唇がふわりと、悪戯好きの少年のように微笑む様子が目に浮かぶ。
「どうだった?
先生は」
「どうだった、じゃないわよ。
心臓止まるかと思ったじゃない。
あのね?
清水って文学部でてるんでしょう?教職なんて持ってないんじゃないの?」
「おや、細かいことを気にするタイプだねぇ、都ちゃんは。
清水はね、うちに来てから、都ちゃんに学校の勉強を教えるためにわざわざ教育学部に入り直したの。
あ、母校じゃなくてもうちょっと簡単に入れる別の大学でね。
愛だよね、愛」
――ああ、そうですか。
普段、清水が何をしているかってことに、あまり興味を持っていなかった自分を心の中で反省しながら、唇を閉じる。
コンコン
ドアがノックされるので、開けてみるとそこには想像に寸分たがわぬ笑顔を携えたパパが居た。


