だって好きなんだもん!(Melty Kiss バレンタインver.)

こ、怖いわぁ。

うちの組関係者になるのに芝居の技術っていう採点基準でもあるのかしら。
清水の教師の姿に、わたしは思わず彼が二重人格ではなかったのだろうかと夢想さえしてしまう。

「八色、こっち」

昨日、東野がそうしたように、鍵を開けてくれた。

昨日のことが思い出されて、思わず立ち止まる。
そっと、清水の唇が近づいた。

「大丈夫ですよ、都さん。
私がついてます」

し、知ってるわよっ。
だから、それが心臓に悪いんじゃないっ。

そうとも言えず、朱に染まった頬が見られないように俯いて頷くことしか出来ない。

そっと。
資料室へと足を踏み入れる。

「ドアを閉めると怖いよね?」

ううん、と。
首を横に振る。

だって、わざわざここに来たってことはきっと話がしたいってことだと思うもの。
外から見られちゃ、困るわよね?

「驚かせてしまいましたね」

いつもの、クールな表情で清水が言う。

「驚いたわよっ。
何、これ。
パパの差し金?」

ようやく、いつものわたしが戻ってきた。
そんな感じで口を開く。

「差し金なんて、そんな。
紫馬さんの優しさですよ」

ですよ、じゃないわよっ。