だって好きなんだもん!(Melty Kiss バレンタインver.)

「へぇ、良い目してんじゃん。
お嬢ちゃん、良い女に育ちそうな素質あるよ~。
俺が育てて売ってやろうか?」

蛇を思わせる目が、わたしを飲み込む。

「結構よ」

ぺっと。
男の吐いた唾がわたしの頬にかかる。
汚い。

おぞましさに胃液が這い上がってくるのを必死に飲み込んだ。

「これだからガキは嫌いなんだよ。
空気読めっつうの。
お前、ここで死ぬか嬲られるかどっちかしか選択肢ないの、分かってる?」

どうせ、嬲り殺されるの一つしかないくせに。

「あ、どうせだったら犯(ヤ)ってから、殺(ヤ)っちゃえば良いのか」

遠足のお菓子をチョコとポテチ両方買っとけ、くらいの軽い口調で言って男が躊躇無くベルトに手をかける。

がちゃり、と。
ベルトを外すにしては大きな音が響く。

あれ?と思った、直後。

バァンッ

乾いた音が一度響く。
そして、それは反響していく。

どさり、と。
わたしのすぐ傍に、四角顔の男が倒れてきた。

わたしはとっくにロープを解いていたので、慌てて立ち上がってそれを避ける。

「動くなっ」

と、キツネ目の男が叫んだと思って目をやる。
こっちに銃口が向いていた。

が。

バァンッと。
躊躇いも無く二度目の銃声が響いたと思ったら、キツネ目の男はコンクリートの床につっぷしてしまった。

胸から血を流しながら。