――翌朝。
目が覚めたとき、だいぶ身体が軽くなっていた。
ほっとして、カーテンを開ける。
それはもう、朝というよりは昼の光の色に染まっていた。
思わず時計に目をやると10時過ぎている。
サイドテーブルにはメモが置いてあった。
『おはようございます。
お目覚めになられたら連絡下さい。
清水』
見慣れているはずの几帳面な字に、心臓の柔らかい場所が擽られたような錯覚を覚えた。
隣においてあるケータイを握る。
もちろん、清水のケータイ番号なんてずっと前から登録してあるし、かけたことだって何度でもあるのに。
ああ、どうしよう。
こんなに、誰かに電話を掛けるのを躊躇したことなんて一度もないわ。
どうしても電話が掛けられなくて、わたしはパパが準備しておいてくれたガウンを羽織って、廊下に出た。
ひんやりと、冷たい風を感じて思わず身震いしながら廊下を歩く。
あれ、お邸の廊下ってこんなに長かったかしら……。
「お嬢様?」
誰かがそう言ったのが聞こえた。
直後。
床にしゃがみこむ。
「都さん?」
しばらくして、清水が傍に来てくれた。
躊躇いもなくわたしをふわりと抱き上げる。
右耳が清水の左胸に触れた。
心拍数が早いのは、ねぇ、わたしを抱き上げているからだって思ってもいいのかしら?
目が覚めたとき、だいぶ身体が軽くなっていた。
ほっとして、カーテンを開ける。
それはもう、朝というよりは昼の光の色に染まっていた。
思わず時計に目をやると10時過ぎている。
サイドテーブルにはメモが置いてあった。
『おはようございます。
お目覚めになられたら連絡下さい。
清水』
見慣れているはずの几帳面な字に、心臓の柔らかい場所が擽られたような錯覚を覚えた。
隣においてあるケータイを握る。
もちろん、清水のケータイ番号なんてずっと前から登録してあるし、かけたことだって何度でもあるのに。
ああ、どうしよう。
こんなに、誰かに電話を掛けるのを躊躇したことなんて一度もないわ。
どうしても電話が掛けられなくて、わたしはパパが準備しておいてくれたガウンを羽織って、廊下に出た。
ひんやりと、冷たい風を感じて思わず身震いしながら廊下を歩く。
あれ、お邸の廊下ってこんなに長かったかしら……。
「お嬢様?」
誰かがそう言ったのが聞こえた。
直後。
床にしゃがみこむ。
「都さん?」
しばらくして、清水が傍に来てくれた。
躊躇いもなくわたしをふわりと抱き上げる。
右耳が清水の左胸に触れた。
心拍数が早いのは、ねぇ、わたしを抱き上げているからだって思ってもいいのかしら?


