繊細な青山くんは、学校には来てなかった。
谷田陸は何食わぬ顔で教室に居て、いつものように「おはよう、八色都」と声を掛けてくれた。
それを見たわたしも、いつもどおりに振舞うことに決めた。
「おはよう、谷田陸」
後ろの席の音葉ちゃんがなんとなく余所余所しい。
目が踊ってる。
駄目ね、自分で犯人だって言ってるようなものよ?
あまりにも、谷田陸が堂々としていたからわたしの心も昨日の動揺が嘘のように穏やかになっていた。
先生が何か言い含めてくれていたのか。
まるで昨日の騒動なんてなかったかのように、平和に一日が終わる。
「八色都」
そして。
昨日の騒動なんてなかったみたいに、帰り際、わたしを追いかけてくる谷田陸。
右の頬が少しだけ赤い。
……でも、これは同情しなくていいのよね?ママの愛のお陰だもの。
わたしは胸のうちでパパの言葉を反芻する。
「何?
また、相合傘書かれるわよ」
わたしは思わずそう言ってしまう。
「俺は平気だよ」
なんでもない顔でそういった後、陸は眉を潜めた。
「また、都が泣くって言うんだったらもう声かけないけど」
「じゃ、泣かない」
陸が子供が拗ねたみたいな口調で言うから、思わずそう返してしまった。
そして、顔を見合わせて笑い合う。
小さな冒険を終えた二人は、一緒に少しだけ大人になったんだと、そのときわたしは思ったのだ。
谷田陸は何食わぬ顔で教室に居て、いつものように「おはよう、八色都」と声を掛けてくれた。
それを見たわたしも、いつもどおりに振舞うことに決めた。
「おはよう、谷田陸」
後ろの席の音葉ちゃんがなんとなく余所余所しい。
目が踊ってる。
駄目ね、自分で犯人だって言ってるようなものよ?
あまりにも、谷田陸が堂々としていたからわたしの心も昨日の動揺が嘘のように穏やかになっていた。
先生が何か言い含めてくれていたのか。
まるで昨日の騒動なんてなかったかのように、平和に一日が終わる。
「八色都」
そして。
昨日の騒動なんてなかったみたいに、帰り際、わたしを追いかけてくる谷田陸。
右の頬が少しだけ赤い。
……でも、これは同情しなくていいのよね?ママの愛のお陰だもの。
わたしは胸のうちでパパの言葉を反芻する。
「何?
また、相合傘書かれるわよ」
わたしは思わずそう言ってしまう。
「俺は平気だよ」
なんでもない顔でそういった後、陸は眉を潜めた。
「また、都が泣くって言うんだったらもう声かけないけど」
「じゃ、泣かない」
陸が子供が拗ねたみたいな口調で言うから、思わずそう返してしまった。
そして、顔を見合わせて笑い合う。
小さな冒険を終えた二人は、一緒に少しだけ大人になったんだと、そのときわたしは思ったのだ。


