魔王さまへの憤りは労働で発散する。
そんな便利機能が働くらしい。

「それで魔王さま、そのスイカを食べたら」

「うむうむ」

魔王さまは適当に返事をしながら、
自分でスイカを切って、シャクシャクと食べはじめている。

シルキスもその辺りは気にしない。
むしろ、自分でいろいろできるようになったと喜ぶ。

「で、食べ終わったらですが、大掃除しましょう」

「許す。布団も干すか?」
「もちろんです。干せるものは全て干します」

シルキスは、人差し指を立てて言う。

「ふむ、やる気だな」
「はい、その上で今回の最重点清掃場所はお風呂場です」