「魔王さま、魔王さまはどうして100人に?自分でお分かれになったのでしょう?」

「分からん、記憶にない。本当にだ。そういう意味ではかつての私と今の私は別のモノだ」

「僕は、そう思ってます」

「うん。その上でだ、今ある材料を集めて冷静に考えるとひとつ答えが浮かぶ」

「聞かせてもらえますか?」

「私がこうなったのは、上手く人間に殺されてやる為だ」

「なっ」



その日。

シルキスと魔王さまはマジ喧嘩をした。

仲直りするのには、

鍋いっぱいのスープがあれば十分だったのが救い。




──魔王さまと思い出 終わり