「私は魔王だぞ。かつて最悪の死と破壊を人間どもにくれてやったモノだ」

「ですが、それは昔のこと」
「で、済むとは思わん。……だろう」

「はい」
「私の身を守っているのは、下手をすると蘇るかつての私だ。おまえはあの馬鹿の身内だから感じないかもしれないが、他の人間にとっては恐怖そのものだ」

こちらを向けと、
魔王さまはシルキスに言った。

「そもそも、そういう空気があるから、訊いているのだろう?シルキス」

「答えを、拒否します……」

「ふふふ」