シルキスは進む。

門の続きは、手作業で作った小道。
小道の脇は、これも手製の花壇。

花壇の向こうは、畑。
花が咲き、野菜が育っている。

7日ぶりに訪れたが環境は良好だ。

「うんうん」

シルキスは頷く。

そして、
小道の先は塔。

塔といっても大部分は地下にあり、
尖塔部分は敷地を囲む壁よりも低い。

最上階が地上一階であり、
シルキスが出入りする扉も最上階にある。

その扉から覗く、
小さな顔。

シルキスと目が合うと、
勢い良く扉をバーンと開いた。

「おーい、やっと来たか。早くこーい」

両手をふってすごーく歓迎してくれる少女の姿。

この少女姿がここの唯一の住人。
幽閉された魔王さまの、100分の1。