そして、
おやすみの時間。

扉の影でシルキスを見送る魔王さま。

シルキスは、来た時は逆に内側から鉄門を開ける。

夜に響く門の音。

当たり前に開けているが、
この門、勇者の血筋でなければ開けられないという。

塔の扉も本来はそう。

壁の外に出たシルキスは、
門を閉めなおしながら、遠くの魔王さまに言った。

「おやすみなさい、魔王さま」



──魔王さまと畑 終わり