「よいしょっと」

閉めた門を背に、
シルキスは荷物を背負いなおす。

門兵達については、
別に仲が悪いわけではない。

門兵は規則、
『壁の中を知る者と話してはならない』
を忠実に守っているだけ。

「機密の保持というやつだね」

シルキスは、
だから自分が嫌われてるわけでもないよと、自分のためにひとり言をはいた。

正直言うと、
もうちょっと愛想よくしてくれてもいいけど・・・・・・。

まあ、代わりに、
倍さわがしいのがこの先にいる。